ていねいなものづくり。


約束の時間まで中途半端だったから、
待ち合わせの場所のそばをフラフラしてたら、
唐突にその店の名前の看板が目に入った。
美味しいケーキ屋さん、と聞いていたそのお店は、
でも見渡せど見つからない。
看板があるからな、ここなんだよな、
と思ってビルのスキマをよぉく見ると、あ、確かに、あった。


確認して、用事を済ませて、戻ってきてその店に入った。







入ってすぐのところにあるショーケースには、
お菓子がいくつも並んでる。
振り返っても、大きなガラスの前には焼き菓子が
いくつもいくつもあって、一瞬どうしようかと思った。
どれもこれも食べてみたいって、
すぐに思えるものばかりだったから。
とはいっても、全部買っていくわけにはいかないから。


どれも決して派手ではないけれど、
ていねいに作りましたっていう
職人さんの自己主張が静かに滲み出てる気がしたから。


結局、ケーキを2つ、マカロン1つ、
小さなホワイトチョコを1つ買って店を出た。
詰めて貰いながら、持ち歩きの時間を答えると、
店員さんは「冷蔵庫で冷やしてからお召し上がり下さい」と
アドバイスしてくれた。


家に帰り、すぐに食べたい衝動に駆られつつ、
それでもアドバイス通りに食べた。
とても、とても美味しかった。


年中行事の如くに、前置きが長くなったけど。


なんでまたこんなことを書いたかというと、
念願の[si:]を聴いて、真っ先に思い出したのが
このとき食べたケーキ、このお店のことだったから。


16曲(聴いたのは多分通常盤)。
イマドキのアルバムとしてはいっぱい曲が入ってる。
と、思うのはもしかしたら
普段あまりアルバムを聴かないせいかもしれない。


「ALL Lyrics & Composed by Tsuyoshi Domoto」
「Produced by Tsuyoshi Domoto」
というクレジットを背負ったこのアルバム。
マジでマジでこの英単語通りならば
(ごめんなさいねぇ素直じゃなくて)、
ツヨぽんの覚悟、音楽を作るってことの真剣さ、
素直さが伝わってくるイイアルバムだなあと思いました。


所詮聴いてるのは素人だから、
カレの作る音楽がどういう傾向のものかは
ちっとも分かりません。音楽誌や評論家がよく語るような、
気の利いた業界用語でカレの音楽性について語ることは
出来ません。


ただね、想像はできるんよ。
きっといろいろ葛藤とか、もやもやとか、
あったんだろうけど、
素直に大好きな音楽に没頭しながら
このアルバム作ってたんやなかろうか、と。


ていねいに、ていねいに、さ。


元々、聴いてるアテクシ自身、
機械音ビシバシ系、デカく素早い系の音よりは
アコースティック、アンプラグド系の音が好き
っていうこともあり、
そこにプラスするとこのツヨぽんという
おっきな要素があるから相当にひいき目ではあると思う。


でも優しい、じっくり聴かせる音が満載の
いいアルバムだと思うなぁ。
日曜のこの時間、新しい一週間を考えると
ちとブルゥになるこの時間に聴くには…
更にブルゥになるかも(笑)。


いやいやいや。


アイドルさんが気まぐれに
ソロでアルバム(しかも2枚目)出しやがって、
と思って聴くとイタイ目に遭うよ。多分。かも。
(自信なくなってきた)


繰り返し聴いていたいなあと思うのは
「海を渡って」「くるくる」「ココロノブラインド」
「DEVIL」「50 past 12(AM)」。
インストで聞かせてくれるのは、意外でした。



まあウチがやらずとも
これまで1,000万回ぐらいツッ込まれてるでしょうが。
一応ツッこんどくね。


Special Thanks to Koichi Domoto」(クレジットより)。


ごっそぅさんでした。